【コラム 6】神学者ニーバーの言葉を知る

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2024年元日の朝日新聞。恒例の出版社の広告をはじめ、時間をかけて記事を読んで年の初めを実感できます。オピニオン欄「解なき今を照らすために」は黒柳徹子さんへのインタビュー記事です。トモエ学園での校長先生からの「君は本当はいい子なんだよ」の言葉に救われ、それから変わらずに生きてこられたことへの感謝の気持ちがまずは伝わってきます。そして原爆投下という痛ましい経験から戦後の平和主義を個人でも貫いてきた黒柳徹子さんは、アメリカの神学者ニーバーによる次の言葉を紹介します。ご存じですか。

「神よ我に与えたまえ。変えるべきことを変える勇気と、変えられぬことを変えない冷静さを、そしてその二つを見分ける英知を」

アメリカの神学者ラインホルド・ニーバー(1892年6月21日-1971年6月1日)の政治・宗教観は、多くのリベラルに影響を与え、アメリカの対外政策の精神的な拠り所だったようです。没後50年超になりますが、いま世界で起きているウクライナ戦争やイスラエルによるパレスチナガザ地区への侵攻など「戦争の世紀」の再来において、ニーバーの政治・宗教観が再び各国の指導者に浸透し、和平への足掛かりになることを祈るばかりです。

この言葉は国際政治のみならず、業界や職場の課題から個人的な営みまで幅広く意味を与えるものとしてそれぞれ個々人の中で咀嚼したいものです。朝日新聞の「解なき今を照らすために」に倣うならば、これといった正解がなく、閉塞感が長く燻っているこの国や業界はこの言葉とともに進むべき道を探るしかないのですから。

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