2024年5月4日の朝のNHK番組「インタビュー ここから」をたまたま見ていたら、この言葉に出会った。番組内で歴史学者の磯田道史氏が歴史について語ったことのひとつ。大地震や災害、事件などは歴史を繙くと、過去にも大地震や事件が起きているが、全く同じものが繰り返されているわけではなく、らせん状に戻りつつ、少し位相を変えたものとして起きていると説いている。らせん状に位相を変えて、ということを韻を踏むという独特の表現を使っているところが面白い。
最近の海外のニュースで、アメリカの多くの大学でイスラエルのパレスチナガザ地区への侵攻に関して、パレスチナに対する非人道的な攻撃に抗議する学生とイスラエルを支持する学生との校内紛争が各地で起きていることを知った。なかでもコロンビア大学でのデモが取り上げられる機会も多く、かつてベトナム戦争に反対するコロンビア大学でのそれと韻を踏んでいる、ということであろう。
この番組内で磯田氏は歴史とは安全靴とも語っている。歴史を学んでいると洋の東西を問わず、災害や戦争など似たようなことが起きてしまうことがわかるという。そのためそれに備えることができることの安全靴として、歴史を捉えている。防災史に力を入れている磯田氏の発信に注目していきたい。
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