【おすすめ書籍 60】宇佐美まこと『羊は安らかに草を食み』(祥伝社文庫)

読書三昧

満州からの引き揚げという苦難を体験した者たちの生涯隠し通した「秘密」とは。認知症になった友人の人生を辿る、八十歳前後の女性三人による旅と彼女が子供だった頃の満州からの引き揚げという2部構成で、その「秘密」が徐々に明らかになっていきます。本書では満州で育った人々から中国語のメイファーズという言葉が出てきます。悲しみを受け入れて前へ進むしかないことを意味する象徴的な言葉です。

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