著者櫻田智也のデビュー作の本書は、昆虫好きの主人公が探偵役の連作短編集です。普段はとぼけた感じなのですが、事件の謎に対しての推理の切れは鋭い。ブラウン神父や亜愛一郎シリーズに連なる創元推理らしい作品の登場です。それぞれ切ない物語であっても、主人公の飄々とした振る舞いが読後感を爽やかなものにしています。収録作の中では『火事と標本』が特におすすめです。
『蝉かえる』(創元推理文庫)
デビュー2作目で第74回日本推理作家協会賞受賞の連作短編集の本作は、法月綸太郎はじめ多くの作家に絶賛されています。
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