【おすすめ書籍 11】堀川恵子『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』(講談社)

読書三昧

人類初の原子爆弾は、なぜ〝ヒロシマ〟に投下されなくてはならなかったか。著者はこの疑問を突き詰めるために取材を開始した。広島の宇品港が陸軍の拠点となり、当時の船舶事情に精通していた陸軍船舶司令官田尻昌次の手記など未公開史料を掘り起こす。取材を進めていく中で、「海上輸送」を重要視したアメリカとの差が次第に浮き彫りになってくる。第48回大佛次郎賞受賞の傑出した作品。

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