【おすすめ書籍 38】ジェラルド・アッシャー『世界一優雅なワイン選び』(集英社文庫)※品切

休日ワイン

初版が1996年10月25日。27年前の著作ということでもあり、残念ながら現在は版元で品切れています。ただし、ネットで中古本なら入手可能ですので、ワイン愛好家にはおすすめしたい一冊です。塚原正章、合田泰子訳。

著者ジェラルド・アッシャーはイギリス生まれ。1950年代からロンドンでワイン業界に入り、本拠地をニューヨーク、サンフランシスコと移しながら、各地を旅して良いワインを探していきます。1974年から月刊誌に「ワインジャーナル」を寄稿し、その文章は「個性的で優雅なスタイル」と評価されます。本書はその「ワインジャーナル」に連載されたものを再編集したものです。

本書の中で再三「フィネス」という言葉が出てきます。調べてみると、「繊細さ、優雅さ、そして上品さを有するワインに使われる表現」(ワインスクールレコール・デュ・ヴァン)という意味のようです。また、職人的な造り手の「技」や「腕」を感じさせる高品質のワインに対する表現(フィラディスワインクラブ)ともあります。ジェラルド・アッシャーは各地を旅して、ワイン生産者に直接会ってフィネスのあるワインとの出会いを愉しんでいます。いつかこの「フィネス」という言葉がぴったりのワインに出会える日が到来することを祈って。

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