【おすすめ書籍 37】西加奈子『くもをさがす』(河出書房新社)

読書三昧

コロナ禍のカナダで乳がんを罹患した西加奈子。「日本人には情があり、カナダ人には愛がある」とはバンクーバーに数年暮らした著者の見立てですが、医療関係者や友人そして家族との会話や関わりが愛に満ち溢れているところが本書の特長です。不安な日々の中で光明を見出そうとする著者の心情に寄り添う。そのかけがえのない光によって読者は著者とハグをしているような温かい気持ちになる一冊です。

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