木挽町の芝居小屋の裏手で起きた仇討。この時代、芝居町は遊廓とともに「悪所」と呼ばれていました。仇討の目撃者たちの証言から次第にその真相が明らかになっていく構成やラストの驚きも木挽町ならではの仕掛けがあり、見事です。仇討を成し遂げる菊之助とその周りの証言者たちの人間模様が過不足なく丁寧に描かれており、武士の苦悩や「悪所」で働く者たちの人情が心に響く作品となっています。直木賞・山本周五郎賞W受賞に相応しい逸品。2026年2月いよいよ映画公開です。この機会にぜひ。
【おすすめ書籍 94】永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮文庫)
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